久石譲さんといえば日本を代表する作曲であり、北野映画やジブリの音楽を担当した事でも有名ですね。
日本人なら誰もが聴いたことのある曲も多いと思います。
はっきり言えば、日本人なら聴いておけ、知っておけ的なレベルですね~(笑
久石譲さんの楽曲は有名な曲が多いですが、今回は日本の夏を想起させる名曲「Summer」について解説していきます。
「Summer」を聴くと日本人なら夏を感じ懐かしいと感じる人が多いのですが、それは何故なのでしょうか?
久石譲のsummerに含まれる懐かしい要素
久石譲さんの名曲「Summer」は、カバーされたり、アレンジされることも多い「日本の夏」的な曲です。
ほとんどの人がどこかで一度は聴いたことがあると思います。
と同時に日本の夏、特に幼い時や学生時代の夏を感じて、懐かしい気持ちになる人が多いのではないでしょうか。
これは実は日本人なら年齢性別問わずに、ノスタルジックを感じさせる隠し要素があるんです。
「summer」のコード進行がカノン進行だとか長調云々など、音楽理論的なとこの要素ももちろんあるのですが、そのような小難しい事は今は置いておいて、日本人なら年齢・性別を問わず、誰もが分かる懐かしさを感じさせる要素があります。
一番分かりやすいところでいうと、曲の出だしのストリングス(弦楽器)です。
ドレミでいうと
「シ~ソ~ラ~レ~」と鳴っているのですが、この音の流れって聞き覚えありませんか?
敏感な人は気づいたかもですが、この音の流れって・・・
学校のチャイムの音なんです
キーン、コーン、カーン、コーンって学校で必ず聞いていたフレーズ。
これは10代20代でも30代でも40代50代でも同じで、世代を超えた耳に、記憶に残っているフレーズ。
そして社会人はもちろん、もしかしたら大学生くらいの年代でも、懐かしさを感じるかもしれないフレーズですよね。
これを久石譲さんは「summer」の曲に使ったわけです。
それも最初のイントロ部分だけでなく、曲の全体を通して頻繁に使われています。
だから潜在的に覚えているこのフレーズは、日本人であれば懐かしくノスタルジックな印象を受ける人が多いというわけです。
もちろんそれに乗った綺麗で切ないメロディなど、他の要素も合わさってはいますけど、このチャイムのフレーズを隠しすぎずに、分かりやすく曲に乗せているのがまた効果的ですね。
夏の要素
夏の要素としては、前述した学校のチャイムももちろん影響はありますが、清涼感のあるピアノフレーズかなと。
「Summer」の伴奏はバイオリンなどの弦楽器が多いのですが、その中で綺麗なピアノのフレーズが際立っていますよね。
感覚的な話ですが、弦楽器など温かい、優しい音に対して、ピアノは冷たい、綺麗な音の印象を持つ楽器なので、弦楽器の中でよりピアノの音が際立ち清涼感が出てくると感じています。
また映画「菊次郎の夏」のメインテーマになったことでも分かるように、久石譲さんは夏をテーマの一つとして作っているはずです。
夏の映像であったり、画像とセットで流れる事が大変多い楽曲なので、刷り込み式という側面ももちろんあると思います。
久石譲さんのSummerをもう少し細かく
久石譲さんの名曲「Summer」に含まれる要素に学校のチャイムが入っている事を紹介しましたが、単純にそのままの音を入れているわけではありません。
学校のチャイムの音がこちら
聴いてもらうと分かると思いますが、
ちょっと違くね・・・?(´・ω・`)
と感じたかもしれません。
実は「Summer」で取り入れたフレーズは、チャイムの頭のフレーズではないんですね。
学校のチャイムは音程の違う「キーン、コーン、カーン、コーン」が4回流れます。
その3回目の「キーン、コーン、カーン、コーン」を「Summer」に使ったんです。
更に音楽的な話になりますが、音程をそのまま使用したのではなく、音の流れは同じですがスタートの音を変えています。
学校のチャイム
ミ(キーン)~ド(コーン)~レ(カーン)~ソ(コーン)~
久石譲の「Summer」
シ~ソ~ラ~レ~
学校のチャイムは「ミ」から始まっているのに対して、「summer」は「シ」から始まっています。
でも音の流れは同じなので、学校のチャイムの印象を受けるってわけですね。
最後に
「Summer」には、日本人が共通して懐かしさを感じる音を入れていたわけです。
そして年齢を重ねていく事と比例して、より懐かしさを感じることが出来る要素なので、世代が変わろうとも懐かしを感じさせる曲であり、夏休み、夏の田舎、夏の学校など、日本の夏の思い出だったり原風景を思い起こさせる名曲です。
これを発想できる久石譲はやっぱり天才だなぁと思います。夏には必ず聴きたくなる音楽の一つですね!